『毒になる親 一生苦しむ子供』感想
『毒になる親 一生苦しむ子供』スーザン・フォワード(著)、毒親に関する本です。
私は毒親育ちだと自分では思っていて、長い間、生きづらさに苦しんでいました。
母親に否定され続けて、心身共にボロボロになったこともあります。
ずっと人生を悲観していたし、親を恨んでいたときもありました。
だけどやっと今、毒親育ちを克服できたと感じる状態で、この本を読んだ感想と毒親との対決について書いていこうと思います。
簡単なあらすじ
毒になる親の色々なパターンの説明、そして毒になる親は子供の将来にどのような影響を与えるかが書かれています。
いずれもほとんどの場合、その子供は成長してから驚くほど似たような症状を示す。
どういう症状かといえば、「一人の人間として存在していることへの自信が傷つけられており、自己破壊的な傾向を示す」ということである。そして、彼らはほとんど全員といっていいくらい、いずれも自分に価値を見いだすことが困難で、人から本当に愛される自信がなく、そして何をしても自分は不十分であるように感じているのである。
引用元:スーザン・フォワード 『毒になる親 一生苦しむ子供』
(この影響が、毒親育ちの生きづらさの原因だと私は思っています。)
立ち直るには「怒り」という感情を抑えておかずに外に出す、そして親との対決が必要で、対決への具体的なアプローチ方法が書かれています。
毒親との対決は必要か
私は何度も母と衝突してきました。
母に私を傷つけたことを自覚してほしかったのです。
だけど私が何度うったえても母が変わることはありませんでした。
今でも母は何が悪かったのか分かっていません。
私は最終的には母と対決しないで立ち直ることができました。
どうやって立ち直ったかというと、まず母に私を傷つけたことを分かってもらおうと思うことをやめました。
子供が傷ついたとうったえて、反省したり謝罪したりする親なら、毒親ではないと思います。
子供がどんなにやめてと言っても、やめてくれないのが毒親です。
私の母は多分この先も、分からないままだと思います。
何が子供を苦しめているかを毒親が理解することはないかもしれないと私は思っています。
だけど、たとえ親が自分の気持ちを分かってくれなくても、自分を肯定することは可能です。
毒親育ちから抜け出すには、自分を傷つけた親に傷つけたことを認知させる以外にも方法があると私は思います。
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生きづらい原因は自分を否定する感情
自分が生きづらいのは親が原因だ、親の育て方が悪かったと考えると、親への怒りや許せない気持ちが強固なものになると感じます。
今まで訳が分からないまま生きづらさを抱えていて、苦しくて、そうなった原因が親の育て方にあると分かったとき、私は母を一番恨んでいました。
どうしてあんな育て方をしたんだ、大人になっても苦しいのは、親の育て方が原因だと思ったときでした。
だけど生きづらさから抜け出した今感じるのは、生きづらい原因は自分を否定する感情だったと思うのです。
「毒になる親」に育てられた子供は、自分でも気がつかないあいだに 「他人は信用できない」「どうせ自分のことなどだれもかまってはくれない」「自分には価値がない」などのネガティブな意識を身につけてしまう可能性が高い。
引用元:スーザン・フォワード 『毒になる親 一生苦しむ子供』
自分を否定する感情や人を拒絶する感情が、あらゆる困難を自分で引き寄せていたと感じます。
自分を否定する感情が薄れてきたとき、生きづらさから抜け出したと思うのです。
自分を否定する感情を引き起こしたのは、家庭環境かもしれません。
そこで親と対決して、親に責任がある、自分は悪くなかったと証明して、自分を否定する感情が無くなるのかは疑問に思います。
自分は毒親育ちだと気がついた時点で、親の育て方に問題があった、自分が悪いわけではなかったと自分で理解できていると思います。
自分が悪いわけではなかったと思っても、自分を否定する感情が薄れたようには感じませんでした。
自分を否定する感情は、自分を肯定できたときに薄れてくると思うのです。
自分を肯定するには
自分を肯定するには、自分だけでなく人に対しても否定的になることを減らしていくといいと感じます。
自分に否定的になると、周りの人も自分を大切にしてくれるわけがないと感じるかもしれません。
優しい人だっています。自分に好意的な人もいます。大切に思ってくれる他者がいます。
そんな人に自分が気がつかないようにしていると思うのです。
人を恨んでいると、人にされた嫌なことばかりが目につきます。
誰も助けてくれないと思うと、助けてくれない事実ばかりを集めます。
裏切らない人だっているし、助けようとしている人だっています。
最後まで頼りになるのは自分だけだとか、目にすることがあるけれど、最後まで助けようとする他者がいると私は思っています。
一人で乗り越えようと思わないで、人を信じることも大切です。
子供に謝れない親もいる
「悲しい思いをさせてごめんね」と言えない親もいます。
傷つけたことを認めてくれない親もいます。
辛かったとか、一人で耐えてきたとか、寂しかったとか、生きていて虚しいとか、子供の苦しみに気づかない親もいます。
自分の存在が無意味に思えて、生きていくことが苦しくて、どうやって生きていけばいいか分からない時がありました。
それでも、そこから抜け出すことができました。
一人で苦しみを乗り越えようと思うことをやめること、人との関わりを大切に思うことが、自分を肯定することにつながると私は思っています。
人と心を通わすこと、そのために、人の否定的な部分ばかりを集めないことが大切だと感じます。
毒親育ちの克服
毒親育ちの克服で大切なことは、人を信じること、自分が大切な存在だということに自分で気がつくことだと感じます。
自分のことを軽んじてはいけない。
どんな育てられ方をしたとしても、価値ある自分のことを忘れてはいけないと私は思います。
自分の人生を自分の手に取り戻すためのカギは、そのような親を変えなくてもあなたは変わることができるのだと自覚することだ。
[…]たとえ親はまったく変わらなくとも、あなたは子供時代のトラウマを乗り越え、親によって支配されている人生を克服することができる。
あなたに必要なのは、それをやり抜く決意と実行力だけなのだ。
引用元:スーザン・フォワード 『毒になる親 一生苦しむ子供』
そして自分を大切に思ってくれる他者が必ずいます。
親と対決するよりも、自分を支えている周りの人に関心を向けていくこと、自分が築き上げる人間関係を、自分の手で壊さないことが大切だと思います。
自分を苦しめているものから抜け出せたとき、この本や毒親に対する感じ方も変わってくるのではないだろかと私は思っています。
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